Q.エコタイヤとは何ですか?

A.低燃費タイヤと考えてください。

下記、『エコカー用語辞典』より抜粋です。

タイヤというのは、石油を主な原料として製造されて自動車へ装着し、使用することでやがて寿命を迎える。

役目を終えたタイヤは、大半が燃やして熱源とされ(サーマルリサイクル)、一部は再生ゴムなどに再利用される(マ テリアルリサイクル)。

このようにタイヤは、生まれてから廃棄されるまで、CO2を排出し続けるのである。

タイヤのライフサイクルの中で、もっともCO2を排出するのは使用過程であり、その割合は全体の80%以上になる といわれている。

その使用過程におけるCO2の排出量を、いかに小さく抑えるかという課題に取り組んだのが「エコタイヤ」である。

自動車のCO2や燃料消費を抑えるためには、走行抵抗を小さくすることが有効だ。

走行抵抗について、車速が高ければ空気抵抗が大きくなるが、市街地や郊外などの実用速度域では、そのほとんどが 「転がり抵抗」となる。

転がり抵抗は、駆動系など機械的な摩擦によるものと、タイヤが転がるときの抵抗のふたつに分けて考えることができ る。タイヤ単体の努力で改善できるのは「タイヤが転がるときの抵抗」であり、現在、タイヤメーカー各社では技術開発にまい進している。

中でもキーテクノロジーとなっているのが、シリカの配合技術だ。

シリカはタイヤを構成するコンパウンドのひとつで、近年スタッドレスタイヤなどの開発においても、非常に有効なコ ンパウンドとして注目されている。

エコタイヤで問題となるのは、転がり抵抗を減らすことに対して、グリップ力やウェット性能をはじめ、快適な乗り心 地や静粛性など、これまでタイヤに求められてきた性能を確保することが、二律背反の関係にあることだ。もちろん安全性にも大いに関係する。

その問題を克服する上で、シリカが役に立つ。シリカを上手く配合することで、低温時でも柔軟さを維持させたり、高 いウェット性能を得たり、発熱を抑えて磨耗を抑えたりすることができるのである。

シリカを適切に配合することで、転がり抵抗の低減を追求した際に犠牲となる、タイヤの性能の落ち幅を極力小さくす ることができるのだ。

エコタイヤと燃費の関係について、たとえばブリヂストンのエコタイヤ「ecopia(エコピア) EP100」と、同等の性能を有する「B’STYLE(ビースタイル) EX」との比較では、転がり抵抗の差は約30%とのことで、実際の燃費は、その10%~20%程度という。

つまり3%~6%の燃費向上につながることになる。

小さな差のように感じるかもしれないが、タイヤを使用している間ずっと違うとなると、結果的にはかなり大きな差と なるのである。

また、エコタイヤは今のところ価格が若干高めだが、そう遠くない将来に、標準タイヤとの価格差がもっと接近するも のと思われる。

あるいは、乗用車向けに市販されるタイヤについて、より多くの銘柄がエコタイヤの考え方を採り入れたものとなって いくことだろう。

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